天鵞絨色のエトセトラ ~Velvet-colored Etosetra~

天鵞絨色のエトセトラ ~Velvet-colored Etosetra~

課題レポートより頑張れている気がします。

末端路線の駅の色、盛者必衰の理をあらはす ~2022北海道3〜

こんにちは。さいがきです。年明ける前に新作を出すといいました。しっかり有言不実行でした。お出かけしていたので許してください。そのうち今回のおでかけも記事にしますから...

さて、学割乗車券の区間も2日目ながらあとわずかとなりました。いよいよ乗車券上の最終経路・宗谷本線へと突入します。

 

いい感じに早く起きてしまった

学割乗車券の区間もほとんど終わったので、お昼前には青春18きっぷに移行するなぁとか思いつつ、ルートインから行動開始。駅前のコンビニでパンを買い、出発時刻まで駅の待合室でかじることにしました。

地元以外の路線の始発列車ってどきどきしますよね

この発車標の一番上、6:03発の稚内行きに乗車します。結構同じ車両にも人がいたのですが、たぶんみんな稚内まで乗りとおす18きっぱーだと思います。

特別[要出典]なサボ

定刻で旭川駅を発車。だらだらと加速し、順調に駅に止まっていきます。朝の時点ではそこそこ薄雲が優勢な天気でしたが、無事にいい感じの晴れになりました。

肩こりや腰痛が治りそう

「比布」と書いて「ぴっぷ」町*1です。破裂音促音破裂音は聞きなれないし*2発音しにくいですね。唇の運動量も文字数と釣り合っていません。

そんな比布町ですが、今や北の大地からの美味しいお米として名を馳せる「ゆめぴりか」の発祥の地*3。他にもイチゴが盛んに栽培されるなど、農業で栄えています。

比布を出発。このさきから峠に入ります。

駅名しりとりでの必殺の切り札である蘭留駅を発車し、ディーゼルエンジンが唸りをあげて曲がりくねった坂道を登り始めるとそこが塩狩峠。その名の通り天塩国石狩国の境目にある峠です。現在では上川郡比布町と上川郡和寒町の境になっています*4

 

塩狩駅。実は桜の名所。

塩狩峠三浦綾子の小説「塩狩峠」の舞台でもあり、またそのモデルとなった痛ましい鉄道事故が起こった地でもあります*5。今は桜の名所として知られ、主に5月になると、まるで殉死した鉄道員を弔うかのように百花繚乱の装いを見せます。ぱっと咲いてはらはらと散るこの潔さが桜と死者を結び付けたと柳田國男はいいます*6。もしかしたらここの千本桜*7もそういった意味を含んでいたりいなかったりするのでしょうか。

 

宗谷本線では数少ない特急停車駅


塩狩の次は和寒。宗谷本線でも超少数派の特急停車駅です。比布は通過で和寒に停車するのはおそらく峠を越えた先にあるからでしょうね。

列車は剣淵町唯一の駅となった剣淵に到着。宗谷本線の駅もどんどん廃止されているので、駅巡りをする人はお早めに*8

旭川以来の○○市に入ります。

列車は士別に到着。「シ、ペッ(大なる川)」というアイヌ語由来の言葉で、天塩川と剣淵川が合流して水量が増す地点にあります。

 

意外と大きなまちの多寄

続いて多寄。士別町と合併する以前は多寄村として存在していた名残か、町としての機能は揃っているみたいです。

一部普通列車は通過の瑞穂駅

そして瑞穂駅。乗車中の列車は北永山を通過したり、ほかにも瑞穂駅を通過したりする列車が存在しています。一部普通列車通過駅は身近にはないので新鮮でした。

風連です。いよいよ名寄市に入りました。ちなみに多寄も風連ももともと多寄村だったのですが、いろいろめんどくさい歴史を経て今は多寄は士別市、風連は名寄市に位置しています。

最近駅名が変わった名寄高校駅。

市街地も近づき名寄高校駅です。東風連駅として開業しましたが、2022年改正で稚内方に1.5km移設の上駅名改称という東風連駅を廃止して新しく名寄高校駅を建てたと言うほうが適切な歴史を持ちます。駅設備は名寄市の財産となっていて、地元主体でこのプロジェクトが動いていたことが分かります。

 

そしていよいよ列車は名寄に到着します。また後で戻ってくるので写真はその時に張りたいと思います。

名寄では後ろ寄りの車両が切り離され、2両編成から1両単行に変わります。解結作業後に運転士に「次で降りるのだが、乗車券を持ち帰らせてほしい」と伝えると、「そのまま持って降りてもらって大丈夫」とのことだったので、安心して乗車券を持ち帰ることができました*9

ということで名寄駅を出発。いよいよ次は日進駅です。

日進駅周辺には公園施設が点在しており、ユースホステルやゲストハウスも立地しています。

きたあああああああああ!!!!!!!!!!!

現在は利用者減少のため、名寄市の管理に移行されてしまいました。即ち廃止秒読みの段階に来ています*10。日進駅に限らず、宗谷本線は沿線人口の減少や自動車の普及*11、高速道路や高速バスの台頭でいつ廃線となってもおかしくない状況に立たされています*12。そんな現実もある中この乗車券を発券し、利用できたのは貴重な経験でした。

駅ノート書いてきました。

古いチラシが残されています。管理の行き届いていない駅ではないように見えますが...

初乗りが250円。川越線の方の日進駅は150円。

滞在時間は1時間ほどでしたが、のんびりとした開放的な駅でした。季節柄近くではライダーの方々が休憩スポットとして利用していたのも印象的です。

それでは先ほど乗っていた列車が美深で交換したであろう名寄行きで名寄に戻ります。

ただいま

かつては名寄本線深名線が分岐していた交通の要衝も今となっては宗谷本線の寂しい途中駅です。これが時代を感じさせます。

たまたま来ていた団体列車「スターライトるもい」

構内は広々としているのがまた当時の面影をうかがえて寂しくなります*13

駅は意外とレトロな印象。

スターライトるもいが発車すると駅はしんと静まり返ります。どこまでも空しい印象です。

名寄駅舎。近年改装したらしい。

外に出ました。(そういえば日進駅から18きっぷです。)赤い屋根のかわいらしい駅舎ですね。宗谷本線屈指の主要駅としての矜持を感じます。

 

さて、普通列車が少ないので、サロベツ号で引き返します。18きっぷのもとが取れるか少々不安ですが*14、これの前に所用で甲府に行っているのでたぶん大丈夫です。

旭川に戻りましょう。

はまなす編成です。

指定席をとっておいたので座れました。しかしここで猛烈な睡魔が...

 

.........

 

「まもなく、終着、旭川です。」

 

あっぶねー。

 

旭川まで爆睡していました。逆によく起きられたな俺。

山明号に乗ります。

確か滝川行きだったと思います。

深川で降りますがボックスシートに座ります。

ここから深川に出て留萌線に行こうと思います。が、函館線がなんか知らないうちに遅れているので留萌まで写真はありません。

 

真っ昼間なので夕日はありません。

増毛までは廃止されましたが*15、なんとか来れてよかったです。18きっぱーの大きなお友達もいっぱい来ていて、そこそこ混んでいました。

時間が無いのでサクっと帰ります。

深川に戻ったら、いい感じのタイミングで特急と連絡しているので乗り換え。電車特急好きすぎ。この旅2回目のライラックです。

 

岩見沢までも普通列車がアホみたいに少ない。

岩見沢空知総合振興局最大の都市で、札幌のベッドタウンでもある。

岩見沢から先は札幌までそこそこの本数の普通列車が出ているのですが、まあ今回はスルー。お昼にセイコーマートのパンを調達*16して、駅前の広場で食らいます。ここは炭鉱*17と港*18を結ぶ交通の結節点であり、鉄道のまちとしても栄えました。また、「岩見沢」の地名は北海道では超レアなイヌ語との関連がない地名*19です。他にも探してみると面白いかもしれません。

整った街並み。少し洋風な感じもします。

先ほど岩見沢は「炭鉱と港を結ぶ交通の結節点」とご紹介しましたように、ここからは室蘭や苫小牧といった大きな港を沿線に持つ室蘭本線に乗車します。かつては石炭輸送で大賑わいしたこの路線もいまや存在感を失いつつあります*20。一部区間が複線化されていたり、駅構内がものすごく広くとられている駅があったりと、こちらもかつての面影を残す路線です。

ちなみに沿線はずっとこんな感じ。

貨物列車はたぶん今もう走っていなかった気がします。数時間に1本コトコト気動車が走るだけの路線です。

窓の汚れっぷりがお金のなさを如実に伝えています...沿線は畑が多く、砂埃がひどいのは仕方がないことだとは思いますがちゃんと洗ってあげて...

というところで終点の苫小牧です。それではここから本日のお宿、札幌のアパホテルに行きましょう。

千歳線も寝ていました。確か起きたら新札幌とかだったと思います。

札幌からは地下鉄で豊水すすきの駅で下車。ここの駅前の宿で一晩明かします。

チェックインして荷物を置いたら夕飯の調達とその他もろもろをこなしてしまいましょう。

ようやく会えました!

まずは札幌駅前に戻ってさっぽろたんのパネル4枚を撮影します。なかなかさっぽろたんには会えないので、会えてよかったです*21。そのあとは...と考えましたが、特にやることもなく、口内炎が痛すぎてカレーもラーメンも食べる気にならず、スマホの充電もカツカツだったのでローソンでサーモン握りを買ってそのまま食べてシャワー浴びて寝ました。

 

にしても冷房が寒かったのでなかなか寝付けませんでした。道民の体はどうなっているんだ...

 

というところで2日目の終了です。年明け前に間に合わなかったのは申し訳ないですが、また今年も1年バカやっていくのでよろしくお願いします。

 

それでは次回もよろしくお願いします。

*1:上川郡比布町。「ピ」はアイヌ語で「石」を指す。

*2:日本の自治体のうち、パ行の音で始まるのは比布町のみ。

*3:ふるさと納税するとわんさかもらえる。

*4:上川郡は天塩・石狩・十勝の3つの国に存在していた。それぞれ天塩川上流、石狩川上流、十勝川上流から命名されており、昔は1つの郡だったとかではない。

*5:調べるなり本を買うなりしてください。

*6:梶井基次郎の「桜の木の下には」なんかは代表例。

*7:4000本ほどあるらしい。

*8:剣淵でいえば、2021年の改正で両隣の東六線と北剣淵が廃止された。

*9:ワンマン列車で無人駅で下車する場合は、乗車券を運賃箱や駅備え付けの回収箱に入れるのが普通。というかそもそもどこの駅とか関係なしにきっぷは本来持ち帰るものではない。

*10:個人的には5年持たないと思っている。

*11:道北地域は漁業で一財産築いた人が多い。

*12:釧網本線石北本線も然り。

*13:平成初期は貨物の発着もあった。

*14:ここまで日進~大宮、新函館~函館、日進~名寄しか使っていない。

*15:なんなら石狩沼田から留萌も次の改正で消えるらしい

*16:ちくわパンがあったので非常にうれしい

*17:砂川や歌志内

*18:小樽や室蘭

*19:休泊所があり、開拓者が湯浴みをして疲れを癒したため、「浴沢(ゆあみざわ)」と呼ばれたのが転訛したというのが通説

*20:長万部~苫小牧は特急街道として健在ですが。

*21:この1か月半後にイベントで所沢に来ていたのは内緒