天鵞絨色のエトセトラ ~Velvet-colored Etosetra~

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課題レポートより頑張れている気がします。

ビッカメ娘卒業案件の増加について

お疲れ様です、さいがきです。去る6/21に公式からビックカメラ聖蹟桜ヶ丘駅店の刷新並びにビッカメ娘・せいせきたんの卒業が発表され、界隈に衝撃が走りました。2ヶ月前の5/7にJR京都駅店閉店による京都たん卒業があったばかりというタイミングでもあり、立て続けの卒業発表でオタクが荒れに荒れる中、私の感想は「やっぱりか」というものでした。日頃からコラボ名刺やイベントの度に、時には大金をはたいてまでビッカメ娘巡りをしているオタクの感想としてはかなり冷淡な感想だと思う方も多いかもしれません。しかし、ビックカメラの性格上この刷新は致し方ないというのが正直なところであるので、今回は既に卒業してしまったビッカメ娘たちの店舗の特徴や、周辺の地理的情報、実際に近隣を歩いてみての知見などから閉店の理由に迫るとともに、「ぶっちゃけ閉店は時間の問題だなぁ」と感じている店舗についても論述していきたいと思います。

 

既に卒業したビッカメ娘たち

カメ館たん(ビックカメラ池袋東口カメラ館)

ビックカメラ池袋東口カメラ館の閉店に伴い、2021年1月11日に卒業しました。現在はパソコン館がカメラ館を吸収し、カメラ・パソコン館になっているはずですので、確かアフターサービスはそちらになります。池袋及び新宿エリアは大型電気店が多く、合理化及び経費削減の一環で経営が統合されたものと思われます。かつて店舗があった場所は現在のGiGO池袋3号館の場所であり、立地こそ悪くなかった*1ものの、品ぞろえが専門的過ぎたが故に、土地代や建物代を差し引くと赤字が続いていた可能性があること、池袋西口は別として、ほかのビックカメラからの距離が遠かったこと*2というデメリットが大きかったのではないでしょうか。個人的にはまさか一番最初に閉店するのが池袋の駅の真ん前の店舗だとは思ってもいませんでしたが、都心部が故の理由を察さざるを得ません。

フォトたん(ビックフォト)

カメラ館閉店に伴うビックフォトの閉業によって、カメ館たんと同日の2021年1月11日に卒業しました。「カメラ女子」ブームで一時期は一部で聖地とも呼ばれるなどしたビックフォトですが、近年はなかなか厳しかったのか、2018年2月18日に単独店舗営業を終了し、カメラ館に移転していました*3。「カメラ女子」がグッと減少した理由はInstagramの台頭とスマホカメラやアプリの高性能化でしょう。近年はインスタ映えが意識される時代になってきており、撮影から投稿までを一台で行えるスマートフォンで撮影を行う人が急激に増加しているのはご存知の通りですね。何なら最近はフィルターを使って色味をいじったり、写り込んだ邪魔なものを消しゴムマジックで消してやったり、スマートフォンのインカメラで自撮りと一緒に風景画を撮影したりする機会の方が多い印象です。そういうスマートフォンのフレキシブルな点が支持されているのは否めない事実であり、加えてiPhoneXperiaなど、カメラの画質を売り文句にしているスマートフォンが増加している近況を踏まえると、スマホで写真を撮る風潮にはカメラ館やビックフォトも勝てなかったんじゃないかな、と思わされます。

ふなとーたん(ビックカメラ船橋東武店)

ビックカメラ船橋東武店の閉店に伴い、2022年3月31日に卒業しました。駅の反対側には船橋Face店*4が出店しているほか、同年秋に千葉駅東口に新店舗を出店することが決まったため、船橋東武店は撤退する運びになりました。現在では全体的に百貨店が苦しい中、船橋市のような巨大衛星都市ではまだまだ百貨店が頑張っているような気はしていますが、船橋市のような中高年が多い*5場所ではヤマダやノジマのような生活家電を中心に扱う店舗の方があっていたのかもしれません。事実ビックカメラ撤退後は同じ場所にノジマが出店しているため、ニーズの違いで閉店したという可能性も否定できませんし、ほかの閉店店舗を見ているとそんな感じもします。実際千葉駅前の方がビックカメラはウケそうというのが正直な感想です。

町田たん(ビックカメラ町田店)

平成最後のビッカメ娘として誕生した町田たんでしたが、2022年11月13日に町田店の閉店に伴い卒業しました。店舗開店とほぼ同時期に爆誕しましたが、そもそも店舗が短命で終わってしまったために、閉店後も2ヶ月ほど、相模大野店でさがみたんと並んでパネルが立てられていました。町田市は人口も多く、横浜線小田急線の結節点という利便性もあるのですが、個人的にはそれが災いして横浜や新宿にお客が流れて行ってしまったものかと思われます。発着の本数は度外視で考えてはいますが、町田から一本で辿り着く場所には、新横浜 横浜 八王子 新宿 相模大野 藤沢 柏とビックカメラだけで7店舗あり、さすがに町田から買い物で柏や藤沢に行く人は少数だろうという前提を抜きにしても顧客の分散は避けられなかったのではないでしょうか。あとは郊外店舗というのもあると思います。再三ですが、ビックカメラの性格上、やはり郊外店舗は厳しいのではないでしょうか。

京都たん(ビックカメラJR京都駅店)

ビックカメラJR京都駅店の閉店に伴い、2023年5月7日に卒業しました。改札直結というメリットもあり、京都という土地柄インバウンド需要も見込めそうではありましたが、外からだと店舗の場所が分かりにくかったこと*6烏丸通にバカデカいヨドバシがあったこと、駅直結とは言えよりによって30番線直結*7であったことなど立地の面で不安要素が大きかったことは否めません。まさか都道府県庁所在地、しかも人口約140万人の政令指定都市京都市から撤退することになるとは思いませんでしたし、観光前に酔い止めやのど飴、モバイルバッテリーを調達できたのは非常にありがたい存在だったのですが、もう少し目立つ場所に出店できていれば...とつくづく思ってしまいます。

せいせきたん(ビックカメラ聖蹟桜ヶ丘駅店)

冒頭のとおり、この度2023年9月をもって卒業が発表されたせいせきたんです。ビックカメラ聖蹟桜ヶ丘駅店の業態変化による閉店のため卒業します。聖蹟桜ヶ丘の閉店は30分で新宿にたどり着く好立地が災いしたと思われます。郊外店舗の宿命ですね。ですが、ここに関しては完全撤退ではなく、ビックカメラグループのコジマが出店することが決まっています。ビックカメラグループとしてはこの場所を手放すのはもったいないと思っているのでしょうか。私的には別に悪い場所ではないのですが、多摩地域外からのアクセスがいまいちな上に、乗換駅という訳でもランドマークなどがあるわけでもなく、住民以外が降りるきっかけの無い駅であるという感じがしているため、ありていに言えばビックカメラはニーズには合っていなかったとも思います。ちなみに聖蹟から新宿方面に少し行くとビックカメラ京王調布店もありますが、ここは酒販併設かつノジマが結構弱い*8のためもうしばらく残るでしょう。まあそれでもめちゃくちゃ優秀な立地ではなさそうです。

個人的に卒業が遠くないと思われるビッカメ娘

たまプラたん(ビックカメライトーヨーカドーたまプラーザテラス店)

ビックカメライトーヨーカドーたまプラーザテラス店のたまプラたんです。田園都市線沿線のニュータウンのたまプラ界隈ではほぼ唯一の大型電気店系列店ですが、ここも聖蹟桜ヶ丘駅店の後追いでコジマになりそうな感じがしています。店舗は聖蹟桜ヶ丘駅店よりもさらに狭く、周辺の人口も少ないし、さらに都心へ通勤通学する人が多く、ビックカメラの営業時間帯にたまプラーザに人がいないという懸念もあります。店舗に行けば分かると思いますが、品ぞろえもしっかり郊外なので、聖蹟桜ヶ丘駅店が上手くいけば、まず追随するのはここでしょう。知らんけど。

八尾たん(ビックカメラアリオ八尾店)

つい先日パネルが立ったばかりのビックカメラアリオ八尾店の八尾たんですが、個人的に「どうしてこんなところにビックカメラがあるのだろう」と思ったビックカメラ店舗ランキング堂々の1位のお店です。なんかアリオの中だしJoshinとかエディオンの方が似合ってるような気がしますし、店舗の半分がおもちゃ売り場なのもビッカメらしくないと言えばらしくないかもしれません。似たような境遇の店舗として近隣のあべのキューズモール店*9もありますが、言うてあちらは天王寺駅から歩いてすぐ*10なのでしっかり都心なんですよね。なんばと統合して他企業が入る気がしてならないのが本音です。

所沢たん(ビックカメラ所沢店)

ピックアップしたビックカメラ店舗の中では比較的遅くまで健闘すると思う面もありますが、所沢も生活家電の方が強いと思う、というかそっちの方が利益が出そうと思う店舗です。所沢市は埼玉県内でも指折りの大都市*11ですが、所沢市というか埼玉県南部が全部東京のベッドタウンであるため、厳しいのかなぁと思っています。一方で、飯能や入間、狭山はしっかり所沢の勢力圏なので、今後すぐに危ぶまれるようなことは無いと思います。

八王子たん(ビックカメラJR八王子駅店)

最古参レベルで昔から活動している、ビックカメラJR八王子駅店の八王子たんです。八王子市の人口規模から見れば申し分ない立地なのですが、まー八王子市広すぎるんですよね。高尾とかにもそこそこな人口がいるのバグってる。あと立川のビッカメがデカい。加えてここだけの話JR八王子駅店は酒販の方が評判いいらしいのが気がかりです。規模的には別に郊外店舗の方が向いている、とまでは言いきれませんが、普通にノジマに乗っ取られてもおかしくありません。

プロスタたん(ビックプロスタジオ・東京写真館)

池袋に店舗を構えるビックプロスタジオ・東京写真館のプロスタたんです。プロスタたんはビックカメラと業態が違いすぎて「東京写真館」として独立する可能性があることが主な理由です。聖蹟桜ヶ丘駅店の業態変更を見るに、プロスタジオがビックカメラから分離されてもおかしくは無いと思います。分離するメリットがあるかどうかは不明ですが。今のところ分離されたらビッカメ娘存続の前例は無い*12ので、お上が大胆な整理をしないことを願います。

藤沢たん(ビックカメラ藤沢店)

いやぶっちゃけここ書くのすっごい心苦しいんですけど、藤沢店の目の前にヤマダがデカいLABIを出店しやがったので藤沢たんも今後が怪しくなってくるビッカメ娘だと思います。規模は圧倒的にビックカメラの方が大きいのですが、ガッツリ競争になるのは避けられず、両方ともペデストリアンデッキで直結なので立地のメリットもあんまり享受出来ない位置なんですよね。最近は藤沢市江ノ島を中心とした観光都市としての性格が強く、鵠沼以南の方が活力があるような印象なのも気がかりです。さすがに片瀬に電気屋を出すバカな会社はないと思いますが、藤沢駅周辺はインバウンド需要が拾いにくそうなので、純粋にお客の取り合いになると思います。まあ藤沢たんが卒業したら私と入籍したと考えてください(おい)。

 

まとめ

メタいですがビックカメラの性格と今回の聖蹟桜ヶ丘駅店の流れを見ると、ビックカメラ郊外店舗はコジマに転換したり、撤退して他店舗に統合したりする流れが出てくると思われます。ビッカメ娘もなんだかんだ8周年突破でそこそこ息の長いコンテンツになりましたし、縮小に向かっていってもおかしくは無いのかな。悲しいと言えば悲しいですが、それも運命と受け入れなければね。

というわけで皆さん、いつ卒業発表があるか分かりませんので*13、日頃からビックカメラに足を運んで置きましょう。私はあと1店舗でビッカメ娘は制覇です。

*1:池袋駅35番出口すぐ。

*2:本店及びパソコン館は東口北側、23番出口から信号を渡った場所にある。

*3:引っ越し経験があるビッカメ娘はフォトたんのみ。なお2023年8月31日をもって札幌エスタが閉店し、ビックカメラ札幌店が東急百貨店内に移転するため、さっぽろたんも引っ越し予定

*4:ふなたんのお店

*5:住民基本台帳令和2年10月のデータ

*6:駅の影になってしまいめちゃくちゃ暗いし、観光客は特にバスが発着するわけでもない東塩小路町にはあまり向かわない。はっきり言うと路地裏に店を構えていたと言わざるを得ません。

*7:嵯峨野線特急及び関空特急「はるか」発着ホーム。特にはるかに乗っている客はビックカメラではなく中央改札を目指すと思われます。

*8:ビッカメより2時間早く閉まる上に、ビッカメは4階建てなのにノジマは1フロアしかない。

*9:あべのはチャリとかが多い印象

*10:まあ阿倍野区なんだけどね。

*11:まあいうてさいたま市には遠く及ばない

*12:別館に移れなかった町田たんやコジマに移れなかったせいせきたん

*13:京都たんとかカウンターレベルで唐突だった。